■2020/04 この滝は今年1月に訪れたが、渇水期でやや物足りない景観であった。橋から直線距離で300m弱くらいにこのような巨瀑があり、沢屋でなくても到達できるのはありがたい。そこで、水量が期待できる春に再訪することにした。その結果、水量豊富で新緑に彩られた絶景を独り占めすることができた。アプローチは右岸に踏み跡が一部あるが、ルーファイのセンスは少し必要である。行きはルンゼからシダの密生する中、帰りは岩棚からルンゼに戻ってきた。 ■2020/01
先日、沢登りの本やサイトの利用について書いたが、沢屋が見落とす谷にも大瀑があるのが台高山脈の凄いところである。三年前にM-GIS(2m間隔の等高線)から滝の存在を予想して訪問したが、途中で撤退した滝があった。それが今回紹介する五ノ滝谷にある滝である。清五郎滝に向かう白倉林道は銚子川橋が通行できないが、五ノ滝谷出合は進入可能である。なお、この付近は「名丸、宗四郎、五ノ滝、大橋、学問、猪ノ谷」など場所を表す呼び名がある。また、五ノ滝山(626.3m)は東紀州10マウンテンの会(記録集あり)で登られているが、地域の地理や歴史に詳しい著者も「五の滝山という山名の由来が、今もってよくわからない」と書かれている。
それではこの滝を見た方がいるのかについて調査してみた。調べた範囲では、2名が確認できた。「秘瀑」の著者川崎実氏とYMさん(滝の掲示板)だ。コメントの一部を引用させていただく。川崎氏「滝は30m程度でなかなかの迫力があり、それなりに形も整っている」(秘瀑P197、309)。YMさん「高さ40m足らず。細かく区切ると2段に分かれるが、ほぼ直瀑といってもいい。小沢にかかる滝といえど、スッキリとした姿の美瀑でなかなかに風格がある。」(滝の掲示板2005/04/28)。
入口には鉄塔巡視路の道標があるが、谷沿いの踏み跡を進む。ゴーロ帯を越えた先で前回行き詰まった大岩に出会い、懐かしさを感じた。左のバンドを通過する予定だったが、やはり危ない。そして、左上方を見ると、ここは巻けそうに見えた。実際、難なく上流に進め、拍子抜けだった。そして、シダが生い茂った場所の先に大瀑が見えた。「お~」と思わず叫ぶ。右岸には居心地の良いテラスがあった。今の時期は水量が少ないが、かなりの高度だ。理想的な出会いに満足し、次は五ノ滝谷林道を走り、上流の大滝の探索のための下見をした。
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